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「髪にいいらしい」
「肌にいいらしい」
「骨のためにいいらしい」
そう聞いて選んだものが、気づけば少しずつ増えていました。
どれも、美容や体のために始めたものです。
でもある日、並べてみて思いました。
今の私に、本当に全部必要なのだろうか。
足りないから足す。
ずっとそう考えていたのですが、よく考えると私は、「何が足りていないのか」を確認する前に足していました。
順番が逆だったのです。
そこで今回は、新しい美容サプリを探すのではなく、今飲んでいるものと、普段の食事を一度ゼロベースで見直しました。
すると戻ってきたのは、とても基本的なところでした。
何を足すかより、まず何が足りていないかを見る。
今回は、40代になって私が見直した「美容のインナーケア」について整理します。
1.最初に見直したのは、ビオチンでした
いちばん長く続けていたものの一つが、ビオチンでした。
髪や肌にいいと聞いたことが、飲み始めたきっかけだったと思います。
私が飲んでいたものは、1日10,000µg。
改めて調べてみると、日本人の30〜49歳女性のビオチン目安量は1日50µgです。
つまり、私が使っていたサプリは目安量の約200倍でした。
ただし、この数字だけで「危険な量だった」と判断するのは違います。
ビオチンには日本の食事摂取基準で耐容上限量が設定されているわけではなく、目安量は安全性の上限を示す数字でもありません。
一方、ビオチンを含むサプリは髪・肌・爪の美容目的で広く使われていますが、欠乏していない人が追加で摂った場合の美容効果を裏づける研究は、現時点では限定的です。
さらに、高用量のビオチンは一部の血液検査に干渉することがあります。
FDAは特に、心筋梗塞の診断などに使われるトロポニンの検査で、実際より低い値が出る可能性を注意喚起しています。
検査を受ける際は、ビオチンを含むサプリを使用していることを医療者に伝えるよう求められています。
ここまで確認して、私はやめることにしました。
悪いものだったからではありません。
今の私には、美容目的で続ける積極的な理由が見つからなかった。
それだけです。
2.「必要な栄養素」と「サプリで足せば結果が出る」は別でした
全部のサプリをやめたわけではありません。
私は骨のことも意識して、ビタミンDやKを含むサプリは現在も使っています。
ビタミンDはカルシウムの吸収や正常な骨の石灰化に関わる栄養素です。
また、皮膚ではUVBによってビタミンDが作られますが、その量は季節、時間帯、肌の状態、生活環境、紫外線対策など多くの条件に左右されます。
必要な日光曝露量を一律に決めることも難しいとされています。
私は紫外線対策をかなり徹底しているため、ビタミンDについては食事も含めて別に考え、サプリを続けています。
ただ、以前と変わったことがあります。
「K2も入っているから、これを飲んでおけば骨にいい」
そんな単純な期待は持たなくなりました。
ビタミンKは骨に関わるたんぱく質の働きに必要ですが、ビタミンKサプリを追加すれば骨密度や骨折リスクが確実に改善する、と一律に言えるほど研究結果は単純ではありません。
ここで、今回一番大きかった気づきがありました。
栄養素に役割があることと、サプリを追加すれば結果が出ることは、同じではない。
やめたのは、サプリそのものというより、期待の置き場所だったのだと思います。
3.食事を見返したら、見直す場所は別にありました
次に見たのは、以前つけていた食事記録です。
私の記録では、
・カルシウム
・鉄
・主食の量
が、目安に届きにくい日が続いていました。
一方で、ビタミン類は、特別に意識しなくても比較的届いている日が多かったのです。
ここで少し不思議なことに気づきました。
私は、比較的摂れていたビタミンをさらにサプリで足しながら、普段の食事で目安に届きにくかった部分は、そのままにしていました。
さらに春に測ったInBodyでは、体を構成する「タンパク質量」と「ミネラル量」が標準範囲の下側でした。
InBodyは、体を体水分・タンパク質・ミネラル・体脂肪などに分けて推定する身体組成測定です。
したがって、この結果から「食事でタンパク質やミネラルが不足している」と診断できるわけではありません。
それでも私にとっては、
美容成分をさらに足す前に、まず食事と体の土台を見直そう。
そう考える、もう一つのきっかけになりました。
4.美容だからこそ、肌だけを切り離して考えない
以前、髪のインナーケアについて書いたときに、「食事から材料を届ける」という話をしました。
この考えは、今も変わっていません。
見直したのは、その上に重ねていたサプリのほうです。
肌も髪も、体から切り離されたものではありません。
美容のために特別な成分だけを探し続けるより、その前に、毎日の食事で体を支える材料がある程度そろっているかを見る。
今は、その順番を大切にしています。
若い頃のように、「体重は軽いほどいい」とも考えなくなりました。
必要な食事まで削らず、主食、タンパク質、カルシウムを含む食品などをきちんと食べる。
美容のために何かを足すより、まず「減らしすぎない」ことも、40代では大切なのだと感じています。
→ 関連記事note:外側のケアに限界を感じたら。40代の髪の「インナー設計」
5.私の美容食は、スーパーで買えるものでできています
今、意識して選んでいるものを並べると、どこにでもあるものばかりです。
タンパク質を意識するときは、
卵、鮭、サバ、豆腐、納豆、豆乳。
カルシウムを意識するときは、
牛乳、ヨーグルト、チーズ、小松菜、しらす、豆腐。
ほかにも、キウイやブルーベリー、アーモンド、胡桃、パンプキンシードなどを、無理のない範囲で使っています。
地味に見えるかもしれません。
でも私にとっては、これが美容のための食事です。
私は、美容と健康を別のものとして考えていません。
肌も髪も体の一部で、材料が届いていなければ、その先は化粧品の仕事ではなくなるからです。
だから私は、化粧品より前の段階に、これだけの枠を用意しています。
もちろん、「これを食べれば肌がきれいになる」と言うつもりはありません。
私が説明できるのは、自分がどう置いたかまでです。
そのうえで言うと、なんとなく食べているものは、ひとつもありません。
ひとつずつ、何のために置くかを決めています。
きな粉は、朝、牛乳や豆乳に混ぜて飲んでいます。
日によって変えると飽きないので、習慣になりました。
カルシウムや鉄が届きにくい日が続いていたので、朝のうちに少し寄せておく、という置き方にしました。
そして、毎食栄養計算をするのは私には続きません。
そこで、食材を「部品」のように考えることにしました。
- ゆで卵を作っておく
- 小松菜を使いやすくしておく
- きのこを冷凍しておく
- 魚をすぐ使える状態にしておく
「今日は完璧な献立を作ろう」ではなく、
家にある部品を組み合わせれば、ある程度整う。
その状態を作るほうが、私には合っていました。
豆乳も、「体によさそうだから」という理由ではなく、私の中では主にタンパク質の枠。
カルシウムは、牛乳やヨーグルト、小松菜、しらすなど別の食材で考える。
同じ「健康によさそうな食品」でも、何を目的に置いているのかを分けると、食事がずっと整理しやすくなりました。
6.サプリはゼロにせず、「役割」を分ける
今回の見直しは、「サプリは必要ない」という話ではありません。
やめたものもあります。
続けているものもあります。
必要性を考えたうえで補助的に使うものもあります。
同じ「飲むもの」でも、役割は同じではありません。
たとえば、お腹の状態に合わせて使っているビオスリーHi錠は、サプリメントではなく指定医薬部外品です。
承認されている効能は、整腸(便通を整える)、便秘、軟便、腹部膨満感。
私はこれを「肌のため」ではなく、お腹を整える目的のものとして別枠にしています。
食物繊維を補う目的で使っているものも同じです。美容目的のサプリとは分けています。
また、美容医療で医師から処方されている薬についても、サプリとは別枠です。
服用や休薬は医師の指示を前提にしています。
全部を一つの「美容インナーケア」という箱に入れない。
- 食事で整えるもの
- 必要に応じて補助するもの
- 整腸を目的に使うもの
- 医師の管理で使うもの
役割を分けるだけで、棚の中も、頭の中も静かになりました。
何を足すかより、まず何が足りていないかを見る
美容のために何かを始めようと思うと、つい「次は何を足そう」と考えてしまいます。
私もそうでした。
でも今回、最初にするべきだったのは、新しいサプリを探すことではありませんでした。
普段の食事を見て、
足りているものと、目安に届きにくいものを分けること。
必要な栄養素に役割があることと、それをサプリで多く摂れば美容の結果につながることを、同じにしないこと。
そして、サプリを使うなら「何のために飲んでいるか」を自分で説明できる状態にしておくこと。
特別な美容食を買い足すのではなく、いつもの食事のほうに枠をつくっておく。
何を足すかより、まず何が足りていないかを見る。そのうえで、足す場所を決める。
今の私には、このくらいインナーケアが合っています。
※本記事は、筆者自身の食事記録・身体組成測定・サプリメントの見直しをもとに、公開されている公的資料等を参照して整理したものです。食事記録やInBodyの結果は栄養欠乏を診断するものではありません。サプリメントの必要性は、食生活、体調、服薬状況などによって異なります。治療中の方や検査を受ける方は、医師・薬剤師など医療者へご相談ください。
参考にした資料
- ビオチンの目安量:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- ビオチンと検査の干渉:U.S. FDA|Biotin Interference with Troponin Lab Tests(2017年安全性情報/2019年11月更新)
- ビタミンKと骨:NIH Office of Dietary Supplements|Vitamin K
- 骨の健康と生活習慣:健康日本21アクション支援システム|カルシウム
- ビオスリーの成分・効能:アリナミン製薬|ビオスリー製品情報


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